反応性低血糖
反応性低血糖

糖尿病の診断はされていないけど、このような症状がある方の原因のひとつに反応性低血糖があります。反応性低血糖とは、食事後2〜5時間以内にインスリンの過剰分泌が起き、血糖値が急激に低下することで起こる病態です。糖尿病薬を使っていない人でも起こり得ます。昼食後の強い眠気・集中力低下・動悸・冷汗・手の震えが主な症状です。
このような症状が出る理由の一つは血糖低下に対する交感神経症状で動悸、頻脈、発汗、手指の振戦、顔面蒼白、不安感、空腹感などがあげられます。
もう一つは脳のエネルギー不足による頭痛、強い眠気、倦怠感、集中力の低下、思考力低下、視力障害、ふらつきなどの症状です。
このような症状は食事内容・食べる順番・食事回数を見直すことで改善される場合もありますが、症状が繰り返す・強い場合は内科への受診と血糖測定が必要となります。
通常、食事により血糖値が上昇すると膵臓からインスリンが適量分泌され、血糖値を70〜120mg/dL程度に保ちます。しかし反応性低血糖では、このインスリン分泌のタイミングや量に異常が生じます。以下のような原因が考えられます。
また、やせ型の女性、筋肉量が少ない方、ストレスや不規則な生活が続いている方、胃の手術歴(胃切除、バイパス手術など)がある方、正常~境界型糖尿病、糖尿病初期(HbA1c 5.7〜7.0%前後)の方では反応性低血糖を生じやすいとされます。
反応性低血糖の評価には 75g OGTT(ブドウ糖負荷試験)、混合食試験が推奨されます。
食前から食後5時間程度まで採血で血糖値やインスリンなどを測定する方法です。血糖低下と同時にインスリンが不適切に高い場合、内因性高インスリン血症による反応性低血糖が疑われますが、これらの検査は保険診療では適応とならない場合もあります。比較的簡単に食事と血糖値を確認する方法としてやはり自由診療になりますが、血糖持続測定(CGM:リブレなど)で食後の血糖の変化と症状を記録し、食事・活動・症状の記録とあわせて、血糖スパイクや急降下のパターンを分析します。また、非常にまれではありますがインスリン産生腫瘍でも重篤な低血糖症状を呈することがありますので、その場合は内分泌疾患の専門的な精査が必要となります。
血糖の急激な変動を抑えるような食事療法が効果的な場合もあります。
砂糖の多い清涼飲料水や菓子、高GI食品を避ける。白米・白パン・うどん・砂糖入り飲料など、GI値が高い食品は血糖を急激に上昇させます。おやつとして食事間に摂取すると特に血糖変動が大きくなりやすいため注意が必要です。
食べ方を変える。食べる速さが速いほど血糖の上昇が急峻になるとされています。よく噛みゆっくりと食事をすることが大切です。野菜・タンパク質(肉・魚・豆腐)・脂質を先に食べてから、最後に炭水化物(米・麺・パン)を摂ることで、食後血糖の上昇が緩やかにすることができます。空腹時に糖質を一気に摂ることが血糖急上昇の主な原因となるため、食べる順番を意識するだけでも効果があると思います。食物繊維(野菜・きのこ・海藻)も糖質の消化吸収を緩やかにし、食後血糖の急上昇を抑制します。
また、1回あたりの食事量を少なくし、1日3〜5回に分けて食べることで血糖の急上昇・急下降を抑えられるため特に昼食後に症状が出やすい方は、昼食を少量にすることも効果的です。
当院ではFreeStyleリブレ(リブレ)を使用した血糖測定を行っています。リブレは、腕に装着した小型センサーで皮下の間質液中グルコース値を連続測定する持続血糖測定(CGM)機器です。指先穿刺が不要で痛みがほぼなく、1分ごとに測定された値がスマートフォンへ送信され、リアルタイムで血糖の推移を確認できます。食後の血糖上昇、夜間の低血糖、運動による変化など“血糖の流れ”を把握できる点が大きな利点で、生活習慣の見直しも役に立ちます。センサーは約14日間使用でき、入浴や軽い運動も可能です。
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