高血圧性腎硬化症
高血圧性腎硬化症

現在、高血圧性腎硬化症の明確な診断基準はありません。臨床的には高血圧の既往があり尿検査で血尿が無く、さらに糖尿病や糸球体腎炎の合併を認めない場合の腎機能低下症例を高血圧性腎硬化症と診断することが多いです。また、尿検査ではたんぱく尿は1g/日以下で著しい異常を呈することは少ないです。一次性糸球体疾患、尿細管間質障害、虚血性腎症などが併存している場合もあるため安易に決めつけず専門医の判断を仰ぐなど注意が必要です。
腎臓の形態学的な特徴として末期になると腎皮質が菲薄化し腎萎縮がみられることもあるため診断には超音波検査が有用です。これは高血圧のため動脈硬化病変が進行することにより、腎血流低下が起こり糸球体の硬化が進行するためと考えられています。腎組織の病理所見では動脈の内膜肥厚や糸球体の虚脱を呈し、糸球体硬化、間質線維化、尿細管萎縮などの所見を認めますが、高齢者や腎臓が萎縮している場合、腎生検は行われないことも多いです。
食事療法(塩分制限食)と降圧療法が主な治療法となります。腎機能の悪化を防ぐため、血圧コントロールの管理目標としては、家庭血圧125/75mmHg未満です。降圧のためACE阻害薬やARBと呼ばれるRAS系阻害薬は糸球体の過剰ろ過を是正することで腎保護効果を得られますが、過剰な降圧は血流低下に伴い腎虚血を増長することもあります。高血圧性腎硬化症において、降圧目標を超えて、より厳格な降圧目標の明確な予後改善効果は示されていないため医師の管理のもと適切に血圧管理を行うことが重要です。また、心血管疾患の進展抑制の観点からも血圧の管理は重要と言えます。
また、慢性腎臓病(CKD)の治療薬として使用頻度が増加しているSGLT2阻害薬も有用と考えられますが、投与後一過性に腎機能が低下することや尿量が増えることで脱水症のリスクにも注意を払う必要があります。
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