物忘れ|東新宿あらい内科クリニック|東新宿駅の内科・脳神経内科・腎臓内科

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物忘れ

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物忘れ

食事をしたかどうかを覚えていない女性

私たちの記憶力は30歳から40歳をピークにしてその後はゆっくり低下していくと考えられており、物忘れは加齢に伴ってどなたでも経験します。ただ、この物忘れには、年齢相応に起こってくる生理的なものと、軽度認知障害(MCI:健常と認知症の中間段階)や認知症の初期段階といった病的なものが存在しますので、その原因を見定める診断がとても重要になります。
根本的な治療法が確立されていないアルツハイマー型認知症などでも適切な薬物選択や生活指導を行うことで、症状の進行抑制が期待できます。
当クリニックでは「病的な物忘れ」を早期に発見し、適切な治療につなげられるように、専門医による診察、神経学的検査、神経心理検査、画像検査などを用いて、総合的な診断を行っています。

物忘れの種類

  • 年齢に伴う生理的な物忘れ
  • 軽度認知機能障害(MCI)
  • 認知症(アルツハイマー型認知症、血管性認知症、びまん性レビー小体型認知症など)
  • 治療によって回復する物忘れ(慢性硬膜下血腫、正常圧水頭症、うつ病など)

認知症の早期発見・治療のための検査

物忘れには、回復が見込まれるものとそうでないものがあり、その区別をすることが第一段階です。いつから、どのような症状があるのか、現在お困りのことについて問診票や診察時に詳しく伺います。問診票は予約時、または来院時にご記入いただきます。

診察内容

  1. 問診と神経学的診察

    問診票の確認:問診票内容を確認し、詳細を伺います。
    神経学的診察:随伴する症状などを評価します。

  2. スクリーニング検査

    現在の状態を確認するために、認知機能障害のスクリーニング検査(MMSE、HDS-R)などを実施します。

  3. 血液検査

    回復が見込まれる物忘れを区別するために、甲状腺機能、ビタミン、一部の感染症について検査します。

  4. 画像検査

    頭部CT、頭部MRIなどの画像検査を行い、脳の状態を評価します。
    これらの総合的な診断により、認知症の早期発見と適切な治療に繋げることが可能です。

下記のような物忘れの症状は、認知症の初期症状の可能性があります。このような症状がみられたら、一度、検査を受けることをおすすめします。ご自身では気づかないことも多いため、周囲から受診をすすめられた時にも気軽に検査を受けるようにしましょう。また、ご家族に下記のような症状があった場合、ご本人が抵抗なく受け入れられるように配慮しながら受診を促すようにしてください。

物忘れでよくある症状

このような症状がみられたら、ご相談ください

記憶があやふやになってきた(記憶障害)

  • 人や物の名前を思い出せないことが多くなった
  • しまい忘れ・置き忘れが増えた
  • 水道を閉め忘れたり、鍋を焦がしたりすることが目立つようになった
  • 何度も同じことを言ったり、聞いたりしてしまう
  • 食事をしたかどうかを覚えていないことがある
  • やりかけて忘れてしまうことがある

場所や時間がわからなくなる(見当識障害)

  • 時間や場所の感覚が不確かになってきた

今まで出来ていたことが出来なくなってきた(遂行機能障害)

  • とっさに適切な判断が出来ないことがある
  • 今まで出来ていた作業が出来なくなった
  • 薬の管理が出来なくなった
  • 簡単な計算を間違える

なぜかやる気が起きない

  • 以前に比べてやる気や意欲が無くなってきた
  • 今まで好きだったことに興味や関心が持てなくなった
  • 服装や身だしなみを気にしなくなった

性格が変わった

  • 感情の起伏が激しくなった
  • 人柄が変わったように感じられる
  • ひどく疑い深くなった

認知症の主な種類

認知症にはいくつかの種類があり、アルツハイマー型認知症と脳血管性認知症が8割を占めるといわれています。それらに次いで多いのがレビー小体型認知症です。また、年齢に伴う物忘れと認知症の中間的な段階にある軽度認知機能障害(MIC)があります。いずれもできるだけ早期に適切な治療を受けることが重要です。

軽度認知障害 MCI

認知症の発症プロセスと軽度認知障害(MCI)
認知症は、認知機能が正常だった方が突然発症するわけではなく、時間をかけて認知機能のネットワークが次第に破壊されることで発症します。この過程で、正常とは言えないが認知症には至っていない状態があり、これを軽度認知障害(MCI)と言います。

MCIの特徴

  • 認知機能の変動

    正常とMCIの境界は明瞭ではなく、一旦MCIと診断されても正常に戻る可能性が15〜16%あります。

  • 進行のリスク

    MCIは必ずしも認知症に進行するわけではなく、正常に戻ることもありますが、進行する割合は正常の人と比べて高いです。

予防と管理

  • 定期的な受診

    定期的に医療機関を受診することが重要です。

  • 運動

    週2回以上、20分以上歩くことが推奨されます。

  • 生活習慣病の管理

    高血圧や糖尿病などの生活習慣病をコントロールすることが重要です。

  • 現在の活動を維持

    今できていることを続けることが大切です。

  • 社会的な関わり

    他者との関わりを保つことも重要です。

アルツハイマー型認知症

日本人で最も多い認知症で、全体の6割以上を占めています。アルツハイマー病は、1906年にドイツのAlois Alzheimer博士によって報告され、その名がつきました。脳にアミロイドβやタウ蛋白というたんぱく質が沈着し、それにより正常な脳神経細胞が破壊されることで発症すると考えられています。
アルツハイマー型認知症の進行には以下の3段階があります。

第1期

  1. ものごとを忘れるようになる(健忘症状)
  2. 読み、書きが困難になる
  3. 今いる場所や時間、自分の住所がわからなくなる(失見当識)

第2期

  1. 道に迷う(空間的見当識障害)
  2. 徘徊する
  3. 言葉のやり取りがうまくいかず、用件を伝えられない(失語)
  4. 着替えがうまくできない、色々な図形が描けない(失行)

第3期

  1. 小刻み歩行、前傾姿勢(運動障害)
  2. 最終的には、身動き一つしない、言葉も発しない寝たきりの状態になる

血管性認知症

血管性認知症は、アルツハイマー型認知症に次いで二番目に多い認知症の原因疾患です。65歳未満の認知症の約40%を占めます。血管性認知症は虚血性および出血性の脳血管障害のどちらによっても発生しますが、出血性の方がリスクが高いとされています。血管性認知症は適切な診療により、その発症や進行を抑制できることもあるため、早期診断が重要です。

血管性認知症の症状

  1. 認知症の存在

    実行機能障害や注意障害が現れるが、記憶障害は必ずしも伴わない。

  2. 非均一な高次脳機能障害

    まだら認知症として知られ、知的能力の低下や記憶障害があっても、病識や判断力は保たれることが多い。

  3. 局所能機能障害

    運動麻痺や脳血管性パーキンソニズムなどを伴うことが多い。

血管性認知症の治療

  • リスク因子の管理

    高血圧症、糖尿病、脂質異常症、心房細動、喫煙、肥満、多量飲酒などの脳血管障害のリスク因子の管理が最優先されます。

健康診断の重要性

健康診断の結果を見過ごしていませんか?

健康診断の結果に少しでも異常が見つかった場合、そのまま見過ごしてしまうことは非常に危険です。早期発見・早期対応が健康維持の鍵となります。

認知症の予防と生活習慣病の管理

残念ながら、現在の医療では認知症を完治させる治療法はまだ見つかっていません。しかし、血管性認知症のように生活習慣病が一因である場合には、生活習慣病をコントロールすることで認知症の発症を防ぐことができます。症状が現れてからでは手遅れになることが多いため、早期の対応が重要です。

ご相談ください

もし健康診断で少しでも異常が見つかりましたら、すぐにご相談ください。当クリニックでは、生活習慣病の相談、治療、そして定期的な検査を通じて皆様の健康をサポートいたします。

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