頭痛外来|東新宿あらい内科クリニック|東新宿駅の内科・脳神経内科・腎臓内科

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頭痛で額に手をあてる女性

一生に一度は経験する頭痛
頭痛は、一生涯における罹患率が90%を超えるとの疫学調査があります。このように非常に一般的な症状であるため、多くの方々は頭痛を「日常的なもの」として認識し、市販の鎮痛薬で対処することが多いです。そのため、よほどの頭痛でない限り、医療機関を受診しないことが現状です。また、頭痛の痛みは本人にしかわからないため、家庭や学校、職場でその苦痛が十分に理解されないことが多く、結果として学業や業務の効率が低下することも少なくありません。

こうした症状はありませんか?

  • 頭痛がつらくて学校や仕事を遅刻、欠席、早退することがある
  • 鎮痛薬の使用回数が増えた、または効きが悪くなった
  • 頭痛が心配で鎮痛薬を早めに飲んでしまう
  • 頭痛はあるが一度も検査をしたことがない
  • 生理のたびに頭痛がある
  • 週1回以上鎮痛薬を飲んでいる

予防と治療の重要性

日常的に繰り返し起こる頭痛の中には、予防が可能なものもあります。近年では予防薬の選択肢も増えていますが、鎮痛薬を過度に使用すると逆に頭痛が悪化することがあります(薬物使用過多による頭痛)。そのため、適切な対応が重要です。
まずは、ご自身の頭痛のタイプを知ることが第一歩です。どのタイプの頭痛かを理解することで、適切な予防策や治療法を選択できます。医師の診断を受けることや頭痛日記をつけることが有効です。

当クリニックの頭痛外来について

当クリニックの頭痛外来は、こうした悩みを抱える方々のための専門窓口です。専門医が総合的に診察し、あなたに最適な治療法をご提案します。あなたの頭痛に対する適切なケアを提供するために、どうぞお気軽に来院ください。

頭痛の種類

頭痛の分類は大きく一次性頭痛と二次性頭痛のふたつに分けられます。

一次性頭痛

一次性頭痛は、特定の病気や疾患が原因ではなく、主に頭痛そのものが症状として現れる頭痛のことです。片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛などがあります。

二次性頭痛

二次性頭痛は、特定の病気や疾患が原因で頭痛が引き起こされるタイプの頭痛です。
一次性頭痛とは異なり、根本的な原因が存在するため、その原因を特定し、適切な治療を行うことが重要です。以下に、代表的な二次性頭痛を示します。

  • 頭部外傷による頭痛

  • 頭蓋内疾患による頭痛

    原因:くも膜下出血、脳腫瘍、脳動脈瘤、脳出血など

  • 頸部疾患による頭痛

    原因:頸椎症など

  • 感染症による頭痛

    原因:髄膜炎、脳炎、副鼻腔炎など

  • 薬物や物質による頭痛

    原因:鎮痛薬の過剰使用、アルコール、カフェイン、中毒性物質など。

  • 代謝性疾患による頭痛

頭痛外来の流れ

頭痛の診断には詳細な問診が重要です。予約時や来院時に問診票に記入していただき当日の診療に使用します。問診・診察後に必要な検査を行います。

  • 血液検査

    一次性頭痛と二次性頭痛の区別や全身の状態確認のために行い、治療の基準とします。

  • 画像検査(CT, MRI)

    同ビル5階の連携医療機関で即日または近日中に実施します。

片頭痛

片頭痛は、頭の片側に脈を打つような痛みを生じる疾患です。症状がひどくなると、動けなくなり吐き気を催すこともあります。頭痛は数時間から3日間続き、発作は月1〜2回から週2回程度見られます。片頭痛の方の約20%には前兆が見られ、閃輝暗点(ギザギザした光)や視野欠損(視界の一部が見えづらくなる)があります。本邦の有病率は8.4%で、男性(3.6%)よりも女性(12.9%)に多く、特に10〜40代に多いことが特徴です。片頭痛は日常生活に支障を来すことが多く、有病率も高いため、学業や社会全体に与える経済的影響も甚大です。

片頭痛の治療

片頭痛の治療は頭痛を和らげるための急性期治療と、頭痛の再発を抑える予防治療の2つに分けられます。

  • 急性期治療

    軽症〜中等症:非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)が効果的なことがあります。
    中等度〜重度:NSAIDsが効かない場合、トリプタン系製剤を使用します。症状に応じていくつかのトリプタン系製剤の中から処方します。
    トリプタン系製剤で効果不十分な場合:トリプタン製剤とNSAIDsの併用を検討します。
    ジタン系製剤:2022年から使用可能となり、主にトリプタン系製剤が使用できない方に対して使用します。

  • 予防治療

    片頭痛発作が月2回以上、または生活に支障を来たす頭痛が月に3日以上ある場合、予防治療を検討します。
    予防薬としてCa拮抗薬(ロメリジン)、β拮抗薬(プロプラノール)、抗てんかん薬(バルプロ酸Na)、抗うつ薬(アミトリプチン)を使用します。
    上記予防薬の効果が乏しい場合や副作用で継続できない場合、2021年から新たにCGRP関連製剤(3種類)の使用が可能となりました。これらの製剤はすべて注射薬です。

CGRP関連製剤について

近年、カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)が片頭痛発作の症状において重要な役割を果たしていることが明らかになりました。CGRP関連製剤は、CGRPそのものまたはCGRP受容体に薬剤が作用することで片頭痛発作を予防します。
効果発現には2ヶ月程度かかるため、治療は少なくとも3ヶ月継続する必要があります。
継続可能であれば、6〜12ヶ月の治療が推奨されます。
CGRP関連製剤は、片頭痛の長期的な管理に役立つとされています。

片頭痛の対策について

  • 空腹は発作を誘発するので、朝食を抜かず、規則正しい食生活を心がけましょう。
  • アルコールを控えましょう。特に赤ワインは注意が必要です。
  • 急激な気温や気圧の変化には、室内環境や服装を工夫して快適に過ごしましょう。
  • 光、音、臭いが発作を誘発することがあるので、照明やPC画面の調節、耳栓の使用、騒音のある場所を避けるようにしましょう。
  • 適度な睡眠を心がけましょう。睡眠時間は長すぎても短すぎてもいけません。
  • 入浴は短時間で、湯温を低くして対応しましょう。
  • 適度なカフェインは効果がありますが、過剰摂取には注意しましょう。

このように、片頭痛の予防には生活習慣の改善が大切です。

緊張型頭痛

緊張型頭痛は、日本で最も多い一次性頭痛とされていますが、正確な病態や発症機序はまだ明らかにされていません。頭の両側に鈍い締め付け感や圧迫感などの非拍動性の痛みが生じます。痛みは軽度から中等度で、午後から夕方にかけて悪化します。

発症の原因

  • 筋肉の緊張

    長時間同じ姿勢を保つことにより、後頭部から首、肩、背中の筋肉が緊張し、この状態が慢性化することで頭痛が誘発されると考えられています。

  • ストレスと疲労

    精神的なストレスや身体的な疲労も、筋肉の緊張を引き起こし、緊張型頭痛の原因となることがあります。

緊張型頭痛の対策

  • 適度な休憩

    長時間同じ姿勢を続けることを避け、定期的にストレッチや軽い運動を行うことで筋肉の緊張を和らげます。

  • リラクゼーション

    ストレスを軽減するためにリラクゼーション技法や深呼吸を取り入れることが有効です。

  • 姿勢の改善

    正しい姿勢を保つことで、首や肩の負担を減らします。

治療方法

  • 薬物療法

    軽度の場合、一般的には鎮痛薬(アセトアミノフェンやNSAIDs)が使用されます。

  • 物理療法

    理学療法やマッサージ、鍼灸などが筋肉の緊張を緩和するために用いられることがあります。

  • 生活習慣の見直し

    規則正しい生活やバランスの取れた食事、十分な睡眠を心がけることが推奨されます。

予防治療

緊張型頭痛の予防には、三環系抗うつ薬アミトリプチンが高い有効性を持っています。しかし、眠気や口渇感などの副作用に注意が必要です。緊張型頭痛は、心理的ストレス要因やうつ病などの精神疾患と関連性が高いと言われています。症状に応じて、心療内科への紹介が行われます。

群発頭痛

群発頭痛は、主に20〜40代の男性に多く見られ、女性の3〜7倍の発症率です。また、喫煙率が一般人口の2〜3倍であるため、喫煙が病態に関与している可能性があります。

特徴

  • 痛みの性質

    片側の目の奥にえぐられるような激しい痛みが、1〜2時間続きます。

  • 頻度

    1〜2回/日、1〜2ヶ月間にわたって発症することが多いです。

  • 周期性

    頭痛発作が起こる期間(群発期)は、通常毎年同じ頃に発生し、同じ時間帯に発症することが多いです。

  • 付随症状

    発作時に同側の目の充血、涙、鼻水、鼻詰まり、落ち着かない感じで歩き回るなどの症状があります。

治療

  • 急性期治療

    スマトリプタン3mg皮下注射が第一選択です。高濃度酸素7L/分を15分間吸入することも有効です。

  • 予防療法

    Ca拮抗薬(ベラパミル240mg/日)が第一選択です。
    ステロイドの短期間服用は群発頭痛の早期終了に有効とされていますが、エビデンスはまだ不明確です。ベラパミルと併用することで短期的な予防効果が期待されます。

薬物の使用過多による頭痛(薬物乱用頭痛、MOH)

薬剤の使用過多による頭痛(medication-overuse headache;MOH)は片頭痛や緊張型頭痛の方がトリプタン系製剤や鎮痛薬(NSAIDs)などの急性期治療薬を過剰に使用することにより、頭痛の頻度、重症度、持続時間が増加して慢性的に頭痛を起こすようになった状態をいいます。有病率は1%、平均年齢40〜50歳台、男女比は約1:4で女性に多いといわれています。もともとある頭痛は片頭痛が多く、過剰に使用されている原因薬剤はアセトアミノフェン、NSAIDsなどの鎮痛薬、トリプタン系製剤、複合鎮痛薬(鎮痛薬とカフェインの合剤などの市販薬に多く見られる)などがあります。わが国では市販薬が最も多いといわれています。

MOHの症状

毎日のように片頭痛や緊張型頭痛の特徴を持つ頭痛があり、起床時から頭痛があることが多いです。頭痛の性状や強さ、部位は一定したものではなく精神的活動や身体的活動により増強されるため、日常生活や社会活動に大きな影響を受けます。

MOHの治療

MOHの治療でいちばん重要なことは薬を過剰に連用することが、体に大きな弊害を起こすことをよく理解していただくことです。次に、①原因薬剤の中止、②薬剤中止後に起こる頭痛への対処、③予防薬の投与です。予防薬の投与をしながら2〜3ヶ月かけて徐々に原因薬剤の減量を目指します。

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