様々な原因によって急激に腎障害が進む急性腎障害(AKI)は、数時間から数日の間に腎機能が低下し尿量の減少で診断される病態です。生活習慣病などが原因の慢性腎臓病とは時間の概念が異なり、適切に診断、治療ができればある程度腎機能を回復させられることがあります。以前は急性腎不全と呼ばれていましたが、早期発見と国際的な知見から急性腎障害(AKI)と呼ばれるようになりました。もともとの腎機能が分からないと判断が難しくなるため自分の腎機能がどの程度なのか知っておくことも診断に有益かもしれません。また高齢者や慢性腎臓病の方は急性腎障害になりやすいことが知られており、救急医療を必要とする重篤な場合もあります。腎臓の機能が回復するかどうかは、原疾患や合併症の状況によって異なりますが、末期腎不全となり透析が必要となる場合もありますので注意が必要です。

急性腎障害