急性腎障害|東新宿あらい内科クリニック|東新宿駅の内科・脳神経内科・腎臓内科

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急性腎障害

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急性腎障害

下腹部に不快感がある女性

様々な原因によって急激に腎障害が進む急性腎障害(AKI)は、数時間から数日の間に腎機能が低下し尿量の減少で診断される病態です。生活習慣病などが原因の慢性腎臓病とは時間の概念が異なり、適切に診断、治療ができればある程度腎機能を回復させられることがあります。以前は急性腎不全と呼ばれていましたが、早期発見と国際的な知見から急性腎障害(AKI)と呼ばれるようになりました。もともとの腎機能が分からないと判断が難しくなるため自分の腎機能がどの程度なのか知っておくことも診断に有益かもしれません。また高齢者や慢性腎臓病の方は急性腎障害になりやすいことが知られており、救急医療を必要とする重篤な場合もあります。腎臓の機能が回復するかどうかは、原疾患や合併症の状況によって異なりますが、末期腎不全となり透析が必要となる場合もありますので注意が必要です。

急性腎障害の症状

尿量減少、むくみ、食欲低下、だるさなどの自覚症状が現れることがありますが、初期には無症状のことも多いです。

急性腎障害の主な原因

原因としては腎臓への血流が低下するもの(腎前性)、腎臓の炎症や尿細管障害などによるもの(腎性)尿の通り道である尿路系の閉塞によるもの(腎後性)に大きく分けられます。

  • 腎前性

    脱水、低血圧、肝腎症候群(肝硬変やアルコール性肝障害などの末期肝不全が原因)
    ネフローゼ症候群、敗血症、造影剤

  • 腎性

    急性糸球体腎炎、間質性腎炎、血管炎などの膠原病

  • 腎後性

    尿路結石、悪性腫瘍など尿路閉塞

薬剤性腎障害

薬や健康食品など様々なものが薬剤性腎障害の原因となることがあり、その多くは急性腎障害(AKI)となることがあります。発症機序として腎臓に作用して直接毒性を示す中毒性腎障害、アレルギー・免疫学的機序による急性間質性腎炎、ネフローゼ症候群、結晶形成による尿路閉塞性腎障害などに分類され臨床的にしばしば遭遇することがあります。日本における薬剤性腎障害の実態調査では、原因薬剤として非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)が最も多く次いで抗腫瘍薬、抗菌薬が多いとされています。NSAIDsは薬局やドラックストアで医師の処方箋なしに購入できるOTC医薬品で使用する機会も多い薬剤です。

診断としては該当する薬剤の投与後に新たに発症した腎障害であり、中止によって腎障害の消失、進行の停止が認められることが重要です。しかし、発症までの時間は薬剤ごとに異なり複数の薬剤を使用している場合、原因を特定することが困難となることがあります。血液検査、尿検査(尿細胞診含む)、超音波検査での腎臓の形態評価、腎生検などが診断の一助になります。

治療としては病態に基づいた早期介入が、腎予後の改善につながることが知られております。いずれの原因でも可能な限り被疑薬を中止することが基本です。薬剤性急性間質性腎炎においては、腎障害が続く場合ステロイド療法が考慮されることもあります。薬剤性腎障害は重症化すると一時的に血液透析が必要な場合もあります。
現在、高齢化や生活習慣病患者の増加、新たな薬の登場により今まで以上に注意が必要となっております。腎機能に合わせて薬の選択や使用量の調整することや、複数の薬を使用されている方は定期的に血液検査や尿検査を受けることも大切であると言えます。

急性腎障害の診断

まず原因が腎前性、腎性、腎後性のいずれなのかを鑑別することが必要です。そのためには血液検査、尿検査、レントゲン検査、超音波検査が有用です。腎後性の場合、超音波検査で尿路系が閉塞することで水腎症という腎臓が腫れている所見で診断することが出来ます。この場合、泌尿器科での精査が必要となります。
血液検査、尿検査では原因特定に必要な様々な情報を得ることが出来ますが、腎前性と腎性の鑑別はしばしば困難な場合もあります。更なる検査として腎生検という病理診断が必要となることもあります。

当クリニックにおいても院内検査で血液検査や尿検査、レントゲン検査や超音波検査などの画像検査を必要に応じて行い、すぐに結果を知ることができる診療体制を備えておりますので薬や健康食品などでご自身の腎機能が心配、自覚症状がある場合など安心して受診ください。更なる精査や治療が必要な場合は連携施設にご紹介いたします。

急性腎障害の治療

それぞれの原因にあった治療が必要となります。脱水など体液量の減少が原因であれば水分摂取や輸液療法など、尿路系の閉塞であれば泌尿器科で閉塞を解除するような治療が必要となります。いずれにせよ早期に診断し治療を行うことで腎機能を回復させられる可能性があるため迅速な対応が重要となります。丁寧に病歴を聴取し腎障害が無いか疑うことが第一歩となります。

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