2026年3月17日
片頭痛の新しい予防薬をわかりやすく解説します。
2026年2月、片頭痛の新しい予防薬として アクイプタ錠(アトゲパント) が承認されました。2025年9月に承認されたナルティーク錠(リメゲパント)と同じタイプの薬です。
ここでは、アクイプタの特徴や、同じタイプの薬であるナルティーク(リメゲパント)との違いを、できるだけわかりやすく紹介します。
どうして片頭痛に効くの?
CGRPという物質の働きをブロックします
片頭痛の発作には CGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド) という物質が深く関わっています。
CGRPは
- 頭の血管を広げる
- 痛みを感じやすくする
- 炎症を起こしやすくする
といった働きを持ち、これらが重なることでズキズキする片頭痛が起こると考えられています。
アクイプタは CGRPが働く“受容体”をブロックする薬 です。
その結果、三叉神経の周りで起こる過度な血管拡張や炎症が抑えられ、片頭痛が起こりにくくなると考えられています。
加えてアクイプタは 低分子薬 のため、飲み薬として体内でしっかり効果を発揮できるのもポイントです。
毎日1回飲むだけの予防薬
アクイプタは 1日1回の内服で効果を発揮します。
片頭痛が起きていない日でも、毎日続けることで発作を減らしていきます。
「月に2回以上片頭痛がある」「月に6日以上頭痛がある」
こうした方には、予防薬が役立つことがあります。
臨床試験で確認された効果
PROGRESS試験
本試験は平均月間片頭痛日数が8日以上、平均月間頭痛日数が15日以上の成人慢性片頭痛患者さんを対象に、アクイプタ群(1日1回投与または1日2回投与)とプラセボ群を比較した国際共同第Ⅲ相試験です。
主要評価項目は「与開始から12週間における平均月間片頭痛日数のベースラインからの変化量」とされ、結果は以下の通りでした(代表としてアクイプタ群は1日1回投与群を掲載)。

アクイプタの方が、有意に片頭痛日数を減らす効果 が確認されました。
また、従来の予防薬であるトピラマート**と比較した試験では、
同程度の予防効果 を示しつつ、副作用による中止が少ないことも報告されています。
(**国内では保険適応なし)
ナルティーク(リメゲパント)との違いは?
同じ“CGRP受容体をブロックする薬”として、すでに ナルティーク(リメゲパント) が使われています。
両者の違いを簡単にまとめると次の通りです。
アクイプタ
- 予防目的で毎日飲む薬
- 急性期(発作時)には使わない
- 血管を収縮させないため、心血管リスクのある方にも使いやすいと考えられている
ナルティーク
- 発作が起きたとき(急性期)にも使える
- 予防目的では隔日(2日に1回)で服用
- 同じく血管への影響は少ない
どちらも “片頭痛の仕組みに直接作用する” という点が大きな特徴です。
「まずは飲み薬から始めたい」という方には、アクイプタは選択肢のひとつになります。
CGRP関連抗体薬との違い・比較
【片頭痛】CGRP関連薬の一覧(2026年3月時点)

アクイプタの副作用について
1%以上でみられる副作用として、以下が報告されています。
- 悪心
- 便秘
- 食欲の低下
- 眠気
- 体重減少
- 肝機能(ALT/AST)の上昇
また、重度の腎機能障害患者及び末期腎不全患者(クレアチニンクリアランスが30mL/min未満)では、本剤10mgを1日1回経口投与することとされています
アクイプタはこんな方におすすめです
- 月に2回以上または6日以上片頭痛発作がある
- 発作が多く、生活に支障が出ている
- トリプタンが使えない、または効きにくい
- 注射薬より飲み薬を希望している
片頭痛治療は近年大きく進歩しており、アクイプタはその中でも
「飲むだけで片頭痛を起こりにくくする」 新しい選択肢です。

